新築一戸建ては繰り上げ返済がおすすめ?タイミングや効果は?
住宅を購入する際には、多くの方が住宅ローンを活用しています。住宅ローンはその他の種類のローンよりも低金利で優遇されていますが、その一方で長期間の返済が必要となるため、大きな負担です。この記事では、新築一戸建てを住宅ローンで購入した際の返済や、繰り上げ返済のメリット・デメリットを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
繰り上げ返済の仕組みとは
住宅ローンは基本的に毎月一定額を返済していきます。しかし、長い人生の中で一定額を返済し続けるのではなく、繰り上げ返済という方法もあることはご存じでしょうか。繰り上げ返済とはその名の通り、住宅ローンを満了まで払い続けるのではなく、繰り上げて返済を終えてしまう方法です。
住宅ローンは超低金利で用意されているものですが、それでも長期間の返済を続けていくと高額の金利を返済することになります。繰り上げて返済してしまえば本来支払う予定だった金利が消滅するため、ローン当初の見立てよりも安く返済を終えることが可能です。繰り上げ返済には2つの方法があります。
■期間短縮タイプ
返済期間をギュッと圧縮して返済をする方法です。この方法は返済期間を短くすることで返済すべき利息を減らす効果があります。その分、毎月やボーナスによる返済額は上昇するため、生活が圧迫されない程度の調整が必要です。支払総額を大きく減らすことができるので、将来のライフプランに大きなプラスの効果をもたらせるでしょう。
■返済額減額タイプ
住宅ローンは30年を超える長丁場を抱えている方も多く、支払う利息に悩まされることもあります。この場合には返済額を下げること生活に余裕を持たせる方法です。住宅ローンをすぐに完済したい場合には期間短縮タイプが効果的ですが、生活費や学費の捻出のために返済額を減らすことも必要です。その場合には毎月の返済額を見直すことが大切でしょう。一時的に大きな支出が発生してしまいますが、貯蓄がある程度溜まったら返済に充てていくことで毎月の返済には余裕を持たせることが可能です。
繰り上げ返済のメリット
繰り上げ返済にはどんなメリットがあるでしょうか。住宅ローンの返済期間を短くする期間短縮タイプは、その分住宅ローンから早く解放されることになります。ライフプランに重くのしかかる借金が1つ減るわけで、住宅の買い替えや二世帯住宅への変更など、新しいライフステージを用意しやすくなります。
また、将来分の利息からも解放されるので、返済すべき借金が大幅に減ったことになります。住宅ローンには一般的に借り入れを行う際には抵当権が付けられています。完済してしまえば抵当権は抹消されるため、自由に売却を行うことも可能になります。現在の住まいを資産にするために売却したり、賃貸化したりするのも自由になるため、早く返済を終えると不動産を投資目的に扱いやすくなるというメリットもあります。
では、返済額減額タイプのメリットは何でしょうか。返済額を減らす場合には、生活に大きなゆとりが生まれるでしょう。完済を早めることはできませんが、現在のライフスタイルに余裕をもって見直せるでしょう。夫婦のボーナスは積立保険の満期などを賢く活用すれば生活に圧迫感もなく毎月の返済額を減らしていくことができます。
繰り上げ返済のデメリット
メリットの大きい繰り上げ返済ですが、一方でデメリットも懸念されます。住宅ローンの繰り上げ返済は、どちらの返済方法であれ繰り上げて自己資金を住宅ローンに投入するため、一時的に大きな支出が発生することになります。就業状況や体調、家族の現在の状況を冷静に分析したうえで行わなければ、将来の自分の負担を減らすために対処したつもりが現在の生活を圧迫することにつながってしまいます。支出と現在の生活を冷静に分析したうえで、返済を行う必要があるのです。
また、現在の住宅ローンの返済金額を変更する場合には、一定の手数料がかかることがあります。ローンの契約を変更する際には、都市銀行や地方銀行などは契約変更手数料を求めているためです。この金額は、ネットでの変更なら無料や割安の金融機関が多いですが、窓口での変更を求める場合には数万の手数料を求められることがあるため、注意しましょう。
また、繰り上げ返済は早期に行うほうがメリットは大きくなります。ローンの終了間際で繰り上げ返済を行っても減る利息は大変少なく、手数料などを踏まえるとあまり有効な方法とは言えない可能性もあります。例え少額であっても早めに手立てを検討する方が有利になりやすいので、繰り上げ返済はタイミングも重視するようにしましょう。一般的に住宅ローン開始後10年以内に繰り上げ返済を行うことでメリットが大きいと言われています。
まとめ
この記事では、新築一戸建ての購入後に気になる住宅ローンの繰り上げ返済について解説しました。住宅ローンの返済期間中は家族人数の変化や転職、病気などさまざまな変化が起こりえますが、まずはお手元に十分な生活資金を確保した上で返済していくことが大切です。焦らず、しかしお得な繰り上げ返済も視野に入れながら、賢く返済プランを組み立てていきましょう。