高齢者も安心?バリアフリーの新築一戸建て住宅は本当に使いやすいの?

公開日:2021/12/01   最終更新日:2021/12/17


新築一戸建ての購入を考えるきっかけはいろいろあると思いますが、高齢のご家族と同居するため、という方は多いでしょう。そんなときに検討するのが住宅のバリアフリー化です。ここでは、バリアフリー住宅の特徴や高齢者が安心して暮らすための間取りや設備など、バリアフリーの新築一戸建てを建てるために押さえたいポイントなどを紹介します。

そもそもバリアフリーとは?

「バリアフリー」という言葉は、もともとは障壁を除去するという意味の建築用語です。段差などを少なくして、高齢者や障害のある方が生活しやすく設計された建物のことを意味していますが、最近はもっと広い意味でも用いられることがあります。

道路や建物などの段差などといった物理的な事柄だけでなく、高齢者や障がいのある方が安心して日常生活を送れるように障壁を除去することも「バリアフリー」という言葉で表現します。また、近年では、高齢者だけでなく年齢、性別関係なくすべての人が快適に過ごせるように考えられたデザインを指す「ユニバーサルデザイン」というものもあるようです。

バリアフリー住宅の特徴

では、バリアフリー住宅の特徴とはどのようなものがあるのでしょうか?間取りや設備ごとに詳しく見ていきます。

■玄関

玄関のドアは、将来的に必要になることも考えて車いすが難なく出入りできる幅を確保しておくとよいでしょう。門から玄関までや、玄関から室内に入る土間部分も段差がないようにつくり、スロープや手すりを作り付けます。玄関の上がり框は低めに設計したり、椅子やベンチを設置したりすると靴の脱ぎ履きも楽になります。

■廊下

廊下も、車いすでの生活を考慮して充分な幅を確保し、足腰の弱くなった方でも歩きやすいように、手すりを設置しましょう。床材も車いすを使用しても傷が付きにくく、滑りにくい材質のものを選ぶことも大切なポイントです。

■居室

廊下と居室の境目である敷居の段差は極力なくします。高齢のご家族や介護の必要な方の居室は建物の一階に位置づけ、トイレも近くにあると安心です。そうすることで、介助にあたる方も楽になります。

■トイレ

足腰が弱くなったり、車いす生活になったりすることを考慮し、用を足すのが楽な洋式トイレを選びます。立ったり座ったりする際に身体を支えられるよう、手すりも設置しましょう。車いすのまま入れるスペースが確保しておくと車いす生活になっても一人で行くこともでき、介助が必要になった際も有効です。

■浴室

浴室の出入り口には段差をなくし、滑りにくく柔らかな床材を使用することで転倒してしまった際の被害を軽減します。もちろん補助のために手すりを設置しておくことも大切です。浴槽の高さはまたぎやすいように低いものを選びます。一般的に40cm前後が最適といわれています。冬場の温度差によるヒートショックを避けるためにも、浴室乾燥機の設置がおすすめです。

■その他の設備

扉は、引き戸を選ぶと車いす生活でも開閉しやすくなります。引き戸の設置が難しい場合にはレバーなど開閉しやすい取手を取り付けます。また、照明のスイッチは高齢の方でも点灯・消灯のしやすいワイドスイッチを選びましょう。

見落としがちなのは「温度変化」です。浴室と脱衣所の温度差によるヒートショックは何年も前から問題になっているため、浴室乾燥機や脱衣所への暖房器具設置などの対策がなされていることが多いのですが、居室と廊下との温度差なども気密性の高い住宅には起こりがちです。壁材に断熱材を使うほか、サッシやカーテンなども断熱効果の高い素材を使用することで、冬は暖かく、夏は涼しい過ごしやすい環境を整えることが可能となります。

■間取り

今健康であったとしても、将来的に介護が必要になることを考えて、高齢のご家族の居室は建物の一階に設置がするのが望ましいでしょう。また、居室の近くにトイレや浴室などを設置して導線をよくすることで、介助するご家族の負担も軽減できます。

建売住宅でもバリアフリー住宅が登場してい

近年では建売住宅にもバリアフリー住宅が登場しています。というのも、近年は高齢者や障害のある方に限らず、小さなお子様から健常な方にいたるまで、すべての方が安心して安全に暮らせる住宅が望まれているからです。

敷居などの段差のない設計のものも増えているうえ、温度差をなくすような建具や設備を整えることでヒートショックなどを減らすよう設計されています。建売住宅を購入する場合にも、建築の段階でご家族の要望に合わせて手すりやスロープなどをオプションとして追加設置することも可能な場合があります。

まとめ

高齢化社会が進む中検討する人の増えている新築一戸建てのバリアフリー住宅。段差をなくす、手すりやスロープを設置する、というようにすぐに思い浮かぶ対策だけでなく、住宅のバリアフリー化にはさまざまな設備やアイデアがあります。決して安い買い物とはいえない住宅購入ですが、バリアフリー住宅は、その後何年、何十年とその家に住む人たちが、安心して健やかに暮らしていくための選択肢のひとつです。

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