新築一戸建てに床暖房は必要?床暖房のメリット・デメリット
念願の新築一戸建て、この先長く住み続けることを考えると便利な設備は多くあればあるだけよいでしょう。その設備の中で、暖房器具としてエアコンの他に床暖房を導入するかは悩むところです。大事なマイホームのため、妥協せずにいきたいところです。そこで今回は、新築一戸建てにおける床暖房の必要性についてご紹介していきます。
床暖房とは
床暖房とは輻射熱などを利用する暖房方法で、床の下にある熱源で部屋を暖める暖房器具です。床から直接伝わる伝道熱と、床から部屋全体に広がっていく輻射熱、さらに空気温度の変化によって空気の流れが起こる自然対流の組み合わせによって暖めていきます。床暖房には大きく分けて、電気ヒーター式と温水循環式の2種類があります。
電気ヒーター式とは、電気を使用して暖めるタイプの床暖房です。電気ヒーター式にも種類があり、蓄熱式、PTCヒーター式、電熱線ヒーター式、カーボン式の4種類があります。
温水循環式とは、水を加熱し温水にしてパイプに流し床下から部屋を暖めるタイプの床暖房です。温水循環式は、多機能型、電気ヒートポンプ式、太陽熱温水器、ガスボイラー、ガス給湯器、石油ボイラーなど、熱源により数多くの種類があります。
床暖房の仕組み
それでは、床暖房の具体的な仕組みはどのようになっているのでしょうか。熱の伝わり方には伝道熱、輻射熱、対流の3種類あります。伝道熱とは、物から物へ接触した際に伝わる熱です。輻射熱とは、高温の物質から放出される電磁波を受けて生じる熱です。
対流とは、空気の移動でその空気の熱が伝わる現象となります。床暖房はその3つの組み合わせにより、床から部屋を暖めていきます。伝道熱で足元の暖かさを感じ、輻射熱の作用によって暖められた床の熱で部屋の壁面や天井などが暖まり、その熱で部屋全体の気温が上がるようです。そして自然対流によって、部屋の温度のムラが少なくなります。
床暖房は、床材の室内側を25℃~30℃度程度に加温すると、その室内温度は床面で一番高くなり、天井付近では低下していきます。床からの放射による効果も多少あって、室温そのものは比較的低い温度でも体感的な暖かさを得られるようです。
電気ヒーターとは、床下に電気で発熱する電熱線ヒーターを設置し部屋を暖めます。電気の力でヒーターを暖め、それによって部屋を暖めますが、均一にならずムラがでてしまいます。一室のみ暖めたい場合に適しているようです。しかし、温水循環式に比べると初期費用は低く抑えられるでしょう。
温水循環式とは、床下に配水管を設置して、電気・ガス・灯油などの燃料で温水をつくり放熱する方法です。暖めたお湯を配水管に通し、温水を循環させることによって床から部屋全体を暖めます。やわらかい暖かさが特徴で、ムラなく部屋を暖めるので快適に過ごせます。毎月のランニングコストは温水循環式の方が抑えられます。
床暖房を設置するメリット
それでは、続いて床暖房を設置するメリットやデメリットをご紹介しましょう。床暖房を設置するメリットには、どういったものがあるでしょうか。対流を利用するエアコンは暖かい空気が天井に溜まりやすく、床自体の温度は低いままであるため、どうしても足元は寒く感じてしまいます。また、エアコンは風が直接体に当たるためのどや肌などが乾燥してしまいます。
それに比べて、床暖房は床自体を暖めることで足元を暖め、対流による部屋の乾燥も起こさせず暖めることができるようです。また、床暖房は音もなく静かで、ほこりを巻き上げないため室内の空気の汚れを心配する必要もありません。
さらに、暖房器具を掃除して片づける手間がかからず、収納スペースを用意する必要もありません。床暖房は循環する熱の反射、輻射熱で部屋を暖めるため、外気との温度差が低くなり結露が発生しにくくなります。暖房器具や配線などが室内に出ていないので、部屋の景観を損ねることがありません。また特別なメンテナンスが必要ないため、手間もかからないうえメンテナンス費用も抑えられます。
床暖房を設置するデメリット
床暖房を設置するメリットを理解したところで、デメリットとは何があるか調べてみました。広さや種類にもよりますが、エアコンより初期費用がかかることが挙げられます。基本的に床暖房は一日中つけたままの状態になるので、それだけ光熱費もかかるといえるでしょう。
また、エアコンに比べて、暖まり方に即効性がないこともデメリットといえるでしょう。さらに、エアコンより施工工事は大がかりなものになります。しかし、新築を立てる際に同時に行うので、そこまで不便さを感じることはないでしょう。このように床暖房はデメリットもありますが、それ以上にメリットの方が多い印象です。
新築一戸建てを建てる際に、床暖房を検討している方は上記をぜひ参考にしてください。床暖房のメリットとデメリットをよく比較し、どちらがよいのか検討しましょう。一年を通して快適に過ごせるように、そして今後年を重ねることも踏まえると床暖房は暖房器具として適しているといえるでしょう。長い人生を過ごす大切なマイホームのため、費用や手間だけを考えずに何が自分や家族にとってよいのかじっくりと考えてください。