女性目線の設計ってどんな設計?女性が使いやすい間取り・設計とは
工務店や建築デザイン事務所の公式サイトに、「女性建築士が在籍しており女性目線での設計が可能」と書かれているのを見たことはありませんか?「女性目線」というのは家事をする主婦の目線でという意味か、女性の理想や感覚といった意味かわからない場合があります。そこで、今回は女性が使いやすい間取りや設計に焦点を当ててご紹介します。
女性が気になる収納スペース
家事をしている女性にとって、どのような収納スペースがあれば便利なのでしょうか?また、収納スペースが見えてしまうことにより「来客時に見えたら恥ずかしい」と思ってしまう女性もいるようです。そこで、女性が気になる収納スペースについてご紹介します。
■ 目隠しできるキッチン収納
リビングで来客をもてなす場合、自然とキッチンにも目が行ってしまいます。というのも、女性の多くは「来客時にキッチンがごちゃごちゃしていたら恥ずかしいな」と思っていることから、「この家はどんな工夫をしているのだろう?」と気になってしまうからです。
「キッチン収納が丸見えで恥ずかしい思いはしたくない」という方には、目隠しできるキッチン収納がおすすめです。引き戸などを取り付けて、収納しているものが見えないようにしてみましょう。
■ 畳スペース下の収納
リビングの一角の小上がりを設けて、子どもの遊びスペースにしている家庭もあります。この小上がり部分の中を収納スペースにすれば、子どものおもちゃもすぐに片づけられます。初めからおもちゃの収納スペースだと決まっていれば、お子さんも片付け場所に困らず積極的にお片付けができるかもしれません。
■ 来客から見えないシューズクローゼット
玄関は来客を一番に出迎える場所ですが、靴が散乱していたりシューズクローゼットが靴であふれかえっていたりして「恥ずかしい!」という思いをすることもあるようです。
そんな時はシューズクローゼットを設置するのはもちろん、来客から見えないスペースに設置するのはいかがでしょうか。すっきりとした玄関で来客を出迎えられるため、お客様は来た時も帰る時も気持ちよく過ごせるはずです。
使いやすい水まわり
料理・洗濯・掃除といった家事全般をすべてになっている方にとっては、水回りの使い心地がよくなければ家事に集中できず、余計な手間もかかってしまいがちです。では、そんな方にとって使いやすい水回りとはどんなものなのでしょうか。
■ リビングが見渡せるキッチン
料理をしている最中に「これを見て」とお子さんに話しかけられるかもしれません。もしも背後から話しかけられたら、そのたびに振り返らなければいけません。また、包丁を持っているときに目を離すのは非常に危険です。
そんな時は、リビングが見渡せる対面キッチンがおすすめです。背後から話しかけられる心配も少なく、家族がリビングで過ごす様子を見ながら料理ができます。
■ 収納に余裕のあるキッチン
料理にこだわりのある方であれば、調味料や調理器具がどんどん増えてしまい、キッチンの収納が足りなくなってしまうことがあります。これはとくに市販のものではなく手作りにこだわる方に見られる傾向です。
収納がなくなれば空いたスペースに置くしかありませんが、その分作業スペースが減らされてしまい、思うように動けないことがあります。そうならないためにも、収納に余裕のあるキッチンもおすすめです。
■ トイレと手洗いを兼ねた洗面所
トイレの中にちょっとした手洗い場があることもありますが、それとは別に洗面所があれば掃除が面倒です。毎日のお掃除をもっと楽にするために、トイレと手洗いを兼ねた洗面所を、玄関からリビングまでの距離の間に設けてみてはいかがでしょうか。帰宅時にすぐ手が洗えるほか、トイレから出てすぐに手が洗えるため、掃除場所を一か所減らすことができます。
家事動線・モノや設備の高さに注意を払うことが大事
便利な機能や設備を導入するには、家事の動線も考えて配置しましょう。もし動線を考えずに配置してしまうと、家の端から端まで毎日何往復もするはめになるかもしれません。
■ 身長に適した設備を導入する
日本人女性の平均身長をご存じですか?成人女性の平均身長は約158cmといわれています。あくまで平均なので、140 cm台の女性も存在します。そのような女性の場合、かなり高い位置の収納スペースには踏み台を使っても手が届きません。したがって、そのようなスペースは結局使われないことも多いため、収納スペースを作るだけ無駄です。
また、キッチンの高さが高ければ肘の可動域が狭まり、作業しづらいことが多いです。もしも平均身長を切るようであれば、低い場所の収納を多く設けたり、キッチンの高さを低くしたりと、作業しやすいように工夫した設計をおすすめします。
■ 浴室・洗濯機・洗面所・ランドリースペースを近くに配置して家事動線を短く
脱衣所と洗濯機、物干しスペースのそれぞれが遠ければ、家事の動線が長くなってしまいます。洗濯物を洗って干すまでに手間も時間もかかるため、これらのスペースを近くに配置しておけば家事の動線は短くできるようです。
女性が使いやすい間取りや設計についてご紹介しました。この記事では専業主婦を想像して書いているため、もしかするとまったくこの通りではないかもしれません。その場合は、一番家事をしている人の目線になって考えてみてください。家族が住みやすいように頑張ってくれている人の負担を軽減したいと思ったら、紹介したような設計がおすすめです。